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IABが店舗内リテールメディアの定義と測定を標準化

野口 航

更新日:2月7日

ネット広告の業界団体であるIABが、店舗内でのリテールメディアの定義と測定に関して、標準化規格を発表した。

IAB Europe and IAB Release Final In-Store Retail Media Standards https://www.iab.com/blog/iab-europe-final-in-store-retail-media-standards/

今回発表を行ったのは、IABヨーロッパとIABだ。IABはネット広告業界に属するベンダーやパブリッシャー(媒体社・メディア)や広告主などの様々な立場のプレイヤーが加盟しており、ネット広告に関するルールや規格などを標準化することで、ネット広告の取引を円滑に行う役割を果たしている。日本ではJIAAがそれに相当する。


リテールメディアの存在そのものの起源は古く、ECサイトがサイト内広告をはじめたり、店舗がデジタルサイネージを設置しはじめたり、会員アプリがクーポンを提供し始めたりといった形で、多様な形態のプレイヤーによって提供されたものが、2020年代から「Retail Media」というくくりで総称され始めたものだ。そのため、リテールメディアとしての標準化はこれまで意識されてこなかったと言って良い。


しかし、広告を出稿する広告主側からすると、定義や用語、そして効果測定に至るまで、媒体を横断的にウォッチするためには標準化されていなければ困難だ。今回発表されたのは店舗内リテールメディア (In-Store Retail Media) のみだが、今後はECアプリ内広告や小売アプリ内広告なども含めて標準化が進められることになるだろう。なお、歴史的に見て圧倒的にシェアの大きなプレイヤーがいる場合、そのプレイヤーは標準化を進めたがらない傾向が強い。


規格のダウンロードはここから行うことができる。(英語)

規格の中身については機会があれば別の記事として紹介したい。


日本でもリテールメディアは盛り上がりを見せているが、早くも断片化は進んでおり、早期に標準化を意識した取り組みが各社に求められるようになってくるだろう。

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