リテールメディア・ダイジェスト 2025年5月版
- 野口 航
- 2 日前
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個別記事としては取り上げられなかったリテールメディア関連ニュースをまとめてお伝えします。
博報堂がマーケティング施策を、True DataがID-POSデータとデータクリーンルームを、DearOneがアプリ開発をそれぞれ提供する、リテールメディア関連企業の最強トリオが誕生した。
電通が提供しているテレビ実視聴データ「STADIA360」と、フェズが提供している「Urumo」による実店舗による購買データを掛け合わせて広告の効果検証を可能に。テレビCMとYouTubeで広告を配信し、両方に接触したユーザーの購買率が上がったかどうかといった検証が可能になるようだ。
そのフェズは、ドラッグストア等の購買履歴などのデータを利用して広告を配信する「Urumo Ads」も提供している。その購買データの提供元として東海・北陸地方を中心にドラッグストア「V・drug」を542店舗展開している中部薬品が加わった形だ。
ドコモ系で小売企業のアプリの開発を支援するDearOneのARUTANAのMAUが4,000万人を突破した。「のべ」なのか「ユニークユーザー」なのかは明記されていない。インプレッション数では月間最大3.7億回とのことで、データによってターゲティングを行うネット広告の規模感としては大きいとは言えない。やはりリテールメディアにおいては単価や付加価値の向上がキモとなりそうだ。
EC検索エンジンなどを提供するZETA社と、日本のDMPにおいて重要なポジションにあるインティメート・マージャー社が業務提携を行った。両社が組んで何を行うのかは明かされておらず、シナジーのあるシステム的な連携は謎に包まれているが、東証グロース市場の上場維持基準が上場後5年間で100億円への引き上げられる可能性が濃厚となっている今、こうした事業重複の薄い上場企業同士の横の連携も増えそうだ。
スシローのインストア・リテールメディアの一部データが公開され、スシローサイネージ特設サイトも公開された。スシローは常に待合室が混雑しているため、一般的な小売店よりも効果的だろう。
Tポイント改めVポイントのデータを使ったネット広告配信をFreakOutのDSP「Red」から行えるようになる。
薬のセットを自宅に置いておき、使った分だけ支払う配置薬で知られる富士薬品がリテールメディアに参入した?販売員が携帯するタブレットに「GENIEE DSP」から配信された動画広告を配信するとのことだが、一体どういう状況なのだろうか。
そのほか、Google I/Oで「AI Mode」が発表され、いよいよGoogle検索の姿が大きく変わりそうということもニュースとなりました。SEOのありかたも変わる可能性が高いでしょう。さらに、GoogleやChatGPTなどがAIでショッピングする機能を続々と発表しており、ユーザーの買い物体験も大きく変わっていきそうな気配を見せています。