ANAのコマースメディアはクリエイティブも旅先にお供する

野口航
5月28日
読了時間: 2分

ANA Xとサイバーエージェントは、以前から提供していたコマースメディア「ANA Moment Ads」にクリエイティブ連動機能を加えた「ANA Moment Ads CR（クリエイティブ）」を開始した。

クリエイティブを旅先に合わせてダイナミックに

「ANA Moments Ads」は2023年11月にリリースされた、航空券の予約データやANAマイレージクラブの会員データに連動した広告を配信できるサービスだ。今回加わった「CR」は、ユーザーごとにマッチしたクリエイティブを自動的に配信できるようにするものだ。たとえば2ヶ月後に沖縄のフライトが予約されている会員に対して、旅立ち前に沖縄にあるホテルの広告クリエイティブを配信することができる。

しばしば忘れられがちだが、広告はターゲティングを施しただけではCTRはあまり上がらない。ターゲティングにクリエイティブも一致させることで初めてCTRは高く跳ねるのだ。これから沖縄に行く人には「沖縄」という文字の入った広告は無意識に目に飛び込んで来ることは想像に難くない。

CTRを上げることでインプレッションの価値を上げることはもちろんのこと、CVRの向上も大きく期待できるだろう。航空券の予約情報を活用した広告は、検索エンジンで「沖縄航空券」と検索したユーザーと同程度の広告価値があってしかるべきだ。インプレッション数としてはソーシャルメディアよりも大きく劣るリテールメディアやコマースメディアとして、インプレッション単価を大きく引き上げて成功する事例を期待したいところだ。

航空会社のコマースメディアと旅行AIエージェントがいつか出会う？

今回のアナウンスにおいてANA Xは生成AIの活用も視野に入れていると明らかにした。これは妄想だが、将来的にはランディングページ上で旅行AIエージェントとともにチャットで旅行計画を立て、ホテル予約、レンタカー予約、ジャングリアと美ら海水族館のチケット確保といったこともあたりまえの世の中になるのかもしれない。さらにその先には、旅行AIエージェントの中に挿入する広告をANA Xが販売して...といった展開もあり得るかもしれない。ネット広告のあり方そのものを変えていく可能性をも秘めた一歩と言えるだろう。