クラシルリワードの「POSアゲくん」、大手ドラッグストアのツルハが参画
- AI要約
- 3月21日
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レシピ動画で知られるクラシルを提供するdely株式会社の販促DXソリューション「POSアゲくん」に、ツルハドラッグを展開する株式会社ツルハが新たにリテールパートナーとして参画した。このサービスは店頭での売価を変えずにPOSを向上させるソリューションで、ツルハでの導入においては、あるボディソープ商品のPOS月販が前月比280%に達するなど、顕著な成果を上げている。

「POSを上げる」というパワーワード
POSをご存じない方のために、まずはPOSについて説明しておこう。詳しくは用語集の「ID-POS」の項をご覧いただきたいのだが、簡単に言えばレジで収集されたデータのことである。POSデータによって販売数量を即時に把握できるため、販促施策によって対象商品の販売数が伸びたかどうかを検証し、キャンペーンの良し悪しなどを把握することができる。ネット広告の世界で言えばSKAdNetworkのような感覚に近いかもしれない。POSは本来はデータやレジを指す言葉なのだが、POSデータ上での販売数量を引き上げる意味を転じさせて「POSアゲくん」というネーミングは、ケータイキャリアによる「ギガ増量」とも相通ずるものがある。
店舗負荷をかけずにネットで高い効果を生み出す
POSアゲくんは、クラシルリワードアプリ上でキャンペーン商品が掲載され、当該店舗で購入したレシートをアップロードすることでポイントを獲得できる仕組みだ。ユーザーへのインセンティブによって店舗への集客と購買につなげる施策であるため、店舗の棚割りを変更したり、商品販売価格を値下げしたりする必要がない点が特徴である。
オペレーションがインターネット上でほぼ完結するため、導入する店舗側の負担はかなり小さいはずだ。クラシルリワードは700万ダウンロードを超えるユーザー基盤を持ち、お買い物情報の収集に積極的なユーザーを多く抱えている。このため、店頭での特別なオペレーションなしで高いPOSアップ効果を期待できるわけだ。

日本人のポイントへの執着心を巧みに活用
広告メニューの提供主体がリテールではないため、これを「リテールメディア」と呼ぶかは微妙なところだが、ポイント獲得に極めて敏感な日本人の国民性に見事に適合したリテールメディア的な手法と言えるだろう。新規購買獲得率85%という数字は、今まで買ったことのなかった商品を、この販促キャンペーンをきっかけとして初めて買った人が85%だったということだ。バーゲンハンターへの値引きとはならない施策ということだ。さらに参画企業が増えていくのかどうか、今後に注目したい。